2025年の日本の学びとMOOCの姿を考えるー三菱総合研究所との共同検討会を実施ー

ニュースリリース


一般社団法人日本オープンオンライン教育推進協議会(所在:東京都文京区、理事長:白井克彦 (放送大学学園理事長)(以下、JMOOC))は、株式会社三菱総合研究所(所在:東京都千代田区、代表取締役社長:大森京太(以下、MRI))と共同で、2025年の日本の学びとMOOCの姿を考える検討会を実施しました。

2012年にアメリカを中心に始まった「MOOC(Massive Open Online Courses)」は、誰でも、無料で高等教育をオンラインで受講できる教育サービスであり、今や全世界に普及し、4000万人もの方々が受講しているといわれています。一方、日本に於いては、2014年4月にJMOOC講座が開講されて以来2年半が経ちますが、現時点で受講者は約25万人と世界のMOOCに水をあけられています。

これら状況を鑑み、JMOOCとMRIでは、今後の高等教育の姿を変える可能性を持つ「MOOC」の以後の普及状況やビジネス展開について、様々なバックグラウンドを持つ方々とともに、シナリオ・プランニングの手法を用いて検討いたしました。

検討の結果、以下2つの事象が今後の「学び」および「MOOC」について、影響を及ぼす可能性が高くなるだろうことが導き出されましたので、検討会内容とともにお知らせいたします。

                          記

◆ 日本の「学び」および「MOOC」に影響を及ぼす可能性のある2つの事象
 ・「学びの目的」の変化:
 今後、MOOCをはじめとするEdtechの進展およびAIの発展により、従来の知識蓄積型学びからの転換が予想される。
 特にAIの発展により様々なことが代替されていくなか、人間にしか持ち得ない「感性」を磨く教育が必要になると考えられる。
 ・「学びの成果の評価」の変化:
 ビックデータ蓄積・解析技術および学習履歴の蓄積技術の進展により、かつての「学歴」だけでの評価ではなく、見える化された各人の変遷や「学習歴」によって評価されるなど、評価対象が変わると考えられる。

◆ 今後の日本の学びとMOOCを考えるための検討方法
 ・ 今後「学びの目的」、「学びの成果の評価」が大きく変わる可能性があることから、これらを2軸として設定
 ・ 各軸にそれぞれ相対する2つの変化の方向性を設定し、生じる4つの象限(シナリオ)ごとに典型的なMOOC像を検討

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     <2軸>
      ・学びの目的
      ・学びの成果の評価

     <変化の方向性>
      ・学びの目的: 「理性」/「感性」
      ・学びの成果の評価:「アウトプット」/「プロセス」

◆ 各象限から導き出された社会像とMOOCの方向性
 1. 「理性+アウトプット」:
   グローバル化、標準化が進み、現在の延長線上の世界で、学歴や資格が重視される社会
   ➡ビジネス志向MOOC
 2. 「感性+アウトプット」:
   経済が衰退し、個性や才能が重視され、イノベーションが求められる社会
   ➡起業家促進MOOC
 3. 「感性+プロセス」:
   経済が停滞し、人の繋がりや地域・伝統が見直されコミュニティが重視される社会
   ➡好縁仲立ちMOOC
 4. 「理性+プロセス」:
   経済が安定的に拡大し、雇用流動化が進むなどし、学習意欲のある努力家タイプが評価される社会
   ➡自分探しMOOC

■本検討会の詳細は、以下の三菱総合研究所サイトおよび参考資料をご参照ください。
<三菱総合研究所 プラチナ社会研究会>
分科会「2025年の日本の学びとMOOCを考える」(検討会リポート)
<参考資料>
参考資料「2025年の学びとMOOCを考える」

■本件に関するお問い合わせ
一般社団法人日本オープンオンライン教育推進協議会(http://www.jmooc.jp/)
〒101-8301 東京都千代田区神田駿河台1-1明治大学グローバルフロント7階407G
JMOOC事務局 (担当 永井)
電話:03- 3295 -3555 メール:secretary@jmooc.jp

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